笠原町商工会LOGO

笠原町商工会

常に本物を目指さないかん。

かとう つねふみ
株式会社玉野屋 代表取締役

地元のスーパーマーケット「タマノヤ」の代表、加藤さん。29歳で独立、ピーク時には全7店舗を経営。39歳の時に地元の商店街のメンバーなどで「笠原ショッピングプラザマイン(笠原商業開発協同組合)」を設立した。およそ40年間にわたり食品スーパー経営に携わっている。現在は、笠原商業開発協同組合の代表理事、笠原町商工会の会長も務めている。柔和な笑顔と、おっとりとした語り口。柔らかい物腰で組合や商工会のメンバーを盛り上げている。

タマノヤは本物志向の食品スーパーだ。「本物でないと生き残れない」と加藤さんは言い切る。タマノヤではなんと、週に一度マグロの解体ショーを行う。毎週である。しかも毎回100キロ以上の、とびきり新鮮な天然マグロを用意する。そのマグロは、あっという間に売り切れる。宣伝をしていないにもかかわらず、1時間以上かけて遠方から買いに来るお客様もいる。遠くからのお客様が、次の週にわざわざ「マグロ美味しかったよ」と言いに来る。「それが何よりうれしい」と口元がほころぶ。お客様に喜んでもらうことが、生き残るということだ。

物が余っている時代、同じことをやっていてはダメだ。本当に大変な時代になっているのに、皆、気がつかない、と加藤さんは懸念する。明日のことはわからないから「伝えることは伝えないかん」。

色んなことがつながってきた。不思議やね。 長年にわたり、ずっとスーパーの経営に携わってきた加藤さんだが、苦労ばかりだったと話す。波乱万丈の人生だった。最大の試練は、2015 年の火災だ。笠原ショッピングプラザマインが全焼してしまったのだ。煙がもうもうと立ち込めるのを眺めながら、誰かから「一からスタートせい」と言われたような気がした。「もういっぺん最初からやれ」と。ここで生まれ育ててもらって、生かされている。「なんかやらんと」と思った。

約1年後に再建した建物には、多数の地元タイルメーカーや商社からタイルを提供していただいた。笠原の産業を誇りに思っている。そして感謝している。これまで新しいことをしようという時、色んなことがつながってきた。父親の最期の言葉「商いは、飽きずにコツコツ。細く長く」。それを実践していきたいと思っている。

笠原町のいいところは、いい人が多いところだという。「人」が一番の自慢だ。加藤さんは人とのつながりを大事にしている。いい人たちに恵まれ、ずっと生かされてきた。これからは皆が笠原町の良さに早く気づいて、伸ばすことを考え、そして行動を始めて欲しいと願っている。気づき、新しいことを立ち上げ、形にすることが一番大切だ。