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笠原町商工会

なんか人と違うことせな。

なかしま たけひさ
玉川窯業株式会社 代表取締役

一般ユーザー向けの軽いDIY用タイルや、建材タイルを造っているメーカーの玉川窯業。社長の中島さんは、親しみやすいキャラクターだ。テレビタレントのDIY人気で、両面テープ付きの軽いタイルが人気だと話す。

昭和32年創業の玉川窯業。およそ60年間、セラミックスタイルの製造販売をおこなっている。その間、市場は様々に変化してきた。「常に変化に対応していくことが難しい」という。しかし新しい事に挑戦し、そこで新しい市場を見つけるのは、逆に面白みがある。

かつてのガーデニングブームの頃、日本中でガーデン用レンガが売れ始めた。その時、壁に貼るレンガがなかったのが、軽いレンガを造るきっかけとなった。ホームセンターでの販売から、その後カタログ通販、インターネット通販へと変化してきた。

世の中の市場を見つけて、つくる。 先が見えない時、中島さんはこちらから何か新しい商品をしかける。リーマンショックで、新築の外壁タイル注文が激減した時もそうだった。大きな借金をして倉庫を買った直後、売り上げは半減。借金で夜も眠れなかった。ちょうどその頃、大手接着剤メーカーが住宅外壁用の接着剤を開発したこともあり、業界で初めてリフォーム市場に入り込むことを決意。ノウハウを学び出来上がったのが、住宅リフォーム用の軽い外壁タイル「カルセラ」だ。

リーマンショック後、一つの商品に偏ってはいけないと反省し、現在ではマーケット別に商品をつくっている。最近では、次の世代とデザインタイル「オリナス」を製作、グッドデザイン賞を受賞している。コンセプトをしっかり練り、特徴ある建築材料をつくり上げた。違う業界とのコラボ製品もつくっている。

保守的でよそとのつながりが弱いという笠原町。将来を懸念した中島さんは約20年前、寄付によりお金を集め、中学校の各クラスに外国語指導助手に来てもらう「国際交流の日」を企画、策定した。生徒一人ひとりが英語に、そして外の世界に触れることができるよう働きかけた。この活動は当初10年で終る予定だったが、市による力添えで現在も続いている。

これからは「焼き物を通じて世の中に役に立つこと、なんかできんかなぁ」と中島さん。機能をもつタイルや、女性の感性に着目した商品を作れないか、模索している。