笠原町商工会LOGO

笠原町商工会

地元に愛されるお菓子屋さんを目指して。

おぐり しんすけ
陶勝軒 代表

創業昭和4年、88年続く陶勝軒(とうしょうけん)。「多治見市モザイクタイルミュージアム」から徒歩3分の場所に位置する和菓子屋だ。三代目となる小栗さんは、がっしりした体格に、職人らしくシャイで控えめな印象だ。奥さんの方は小柄でシャキっと快活で、いいコンビである。

陶勝軒では地元産の材料にこだわり、和菓子作りを行っている。和菓子の他に、赤飯やお餅などの商品も充実しており、長年にわたり、ここ笠原町の冠婚葬祭に彩りを添えてきた。

小栗さんは三代目を継ぐことを、すんなり受け入れてきた。子どもの頃から、店を継ぐことを聞かされ続けた。しかし、思春期となり、「大学に行かせてください」と親に懇願したことが現在の仕事の糧になっていると、笑って教えてくれた。

大学卒業後2年の修業ののち家業に入り、祖父、両親とともに和菓子を作り始めた。家族ゆえ、することはよくわかっていたので「仕事を覚えるのも早かった」と話す。家族皆でチカラを合わせ、店を守り続けてきた。現在は奥さんと二人三脚で店を守っている。

地域を元気にしたい。 主力商品の「あののう」は、伝統菓子 桃山をアレンジしたお菓子だ。地元の方言をネーミングに使い、親しみやすさを出している。他にも「いっぷくしょ」「あっつぅ~多治見」という商品もある。「モザイクタイルミュージアム」が開館した2016年6月、記念のお菓子として「彩り」も発売を始めた。モザイクタイルのもつ彩りをねりきりで表現している。タイルをイメージしたクッキーも販売している。地元の人は、もちろんのこと、町外からのお客様にも喜んで頂けるお店を心掛けている。

店内の片隅には、タイルの町のお菓子屋さんらしくタイルのベンチが置かれている。地元の建設会社にオリジナル木製ベンチの製造を依頼し、タイル施工は左官職人に仕上げてもらった。笠原町では皆が幼なじみで協力的だ。

シャイな印象の小栗さんだが、若い頃は趣味でベースを弾いていたという。そのとき音楽の道を選ばずに、和菓子の道を歩んでくれたお陰で、今日も陶勝軒は元気に営業中だ。