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笠原町商工会

困っているところに、突っ込んでいく。

かとう ゆうじ
有限会社加藤化学工業所 代表取締役

加藤化学工業所では、釉薬や特殊な塗料の製造を行っている。昔からのタイルの釉薬製造に加え、原料をナノ化した親水性のある無機塗料も造っている。汚れがすぐに落ち、キズに強いという特徴があり、キッチンレンジフィルターの塗料や、工場の製造ラインの機械の塗料など、幅広い分野での活用が期待されている。

代表の加藤さんは、打たれ強い。逆境に耐える強さを持っている。タイル業界は、時代によって様々な困難に直面してきた。入社の頃、バブル崩壊による価格競争の激化。加藤さんが代替わりした頃、直面したのがリーマンショックだ。売り上げ、なんと7割減。ありあまる時間、加藤さんはこれまであまり触ったこともなかったパソコンを購入。イチから勉強して、自社のホームページを制作し立ち上げた。

ここから伸びるかどうか。 そこで次の道が開けてきた。困っている人は、インターネットを通して問題を解決してくれる会社を探してくるのだ。そこからは異業種の交流、試験や試作を繰り返し、売り上げもようやく回復した。新しいことに挑戦していくので、「大変だけど本当に楽しい」。様々な交流により出来た人脈は、現在何ものにも替えがたい財産だ。しかし「ここからがスタートなんすよ」と苦笑いする。

他社では職人の勘に頼って調色を行っている中、補修用タイルの色や質感を、データ化することもいち早く始めた。色やツヤを数値化することにより、仕事のスピードアップを図れるようになる。色の見え方は主観なので、数値化することで正確に色を再現できるようになり、クレームも出なくなった。コスト削減や短納期につながっている。

快活に話す加藤さんは、スポーツマンだ。若いころはスキーのフリースタイル競技で、まずまずの成績を収め、専門誌にも載ったほどだ。「ちょっとしたもんです」と照れ笑いする。スキーのトレーニングのためのトランポリンは、今も工場の片隅に置かれている。現在はレーシングカートにもハマっていると、少年のように笑った。消防団員としても、25年にわたり活動を続けている。

「今は、仕事も遊びもほんと楽しいんすよ」。遊びが足らなくなってくると、仕事の方にも支障がでてくるようで、両方がよいバランスを保っている。遊びで気分転換をはかることにより、仕事でも良い発想がうまれ、スムーズに進む。まだまだ遊び盛り、働き盛り、そして伸び盛りな加藤さんだ。