岐阜県商工会連合会

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事業者・創業者の皆様へ

餅の生産性向上と販売方法の改善により売上増を目指す

事業内容

餅製造業、田舎暮らし体験

従業員

0〜5名

支援分野

  • 販路開拓
  • 事業承継
  • IT化
  • BCP
  • 設備投資
  • 資金繰り
  • 創業
  • その他

強み・特長

飛騨市河合町の自然で育まれた素材のみを使用した餅の製造を行っている。自然環境に負担をかけないように農薬と化学肥料を使わず、誰もが安心して食べられるものを作るため、もち米や豆類の栽培を行っている。加えて、よもぎ・とち・桜など自然に自生しているものは事業者自ら山へ行って採取し、手作業で下ごしらえを行っている。そのため、素材の香りや味が損なわれず、素材ひとつひとつにこだわり、手間をかけて作られた餅はお客様に大変好評である。

相談内容・課題

①材料の仕込み・餅つき(機械つき)・餅切りまでの工程をひとりで行っている。中でも餅切りの工程は製造から発送までの時間の多くを占めている。包丁を使い手作業で切り分けているため、1,000枚の餅を切るのに7時間ほど費やしてしまう。餅を切る工程に多くの時間を費やすため、多くの注文に対応できず、生産量を制限しており、積極的に販促活動を行うことができない状態が続いてる。
②9種類の餅から数量・種類を自由に指定し注文していただく。これに対応し、顧客ごとに梱包・発送しているため時間がかかる上、商品の入れ間違いも起こっている。特に年末は注文が集中するため、注文数の制限を行っている。
③商品の写真をHPに載せているが、餅の質感や、素材によって違う色合いをうまく表現することができてない。魅力的な販促ツールを準備し、販促を強化する必要がある。
上記、一連の支援では必要に応じて広域支援室の専門指導員と連携して支援を行った。

支援内容・活用した支援メニュー

①製造工程のボトルネックの解消(小規模事業者持続化補助金の活用)
製造工程のうち、まず解消しなければならないボトルネックは切断工程と判断。餅切り機の設備導入を提案した。導入に際しては持続化補助金活用を提案し、申請支援を行った。
②年末の販売方法の見直し提案
年末の繁忙期は9種類の個別販売を行わず、セット商品2種類と白餅の3種に限定することを提案。
③販促ツール作成指導
・客層を具体的に把握するためアンケートの収集を提案。(Googleフォームの活用提案)
・チラシやHPの記載内容の見直し提案
・販促ツールの活用画像の撮影技術の取得(専門家派遣制度活用)

成果・改善効果など

①ボトルネック解消による生産性の向上
1,000枚餅を切断するのに7時間かかっていた工程が42分で完了し、6時間の時間短縮ができた。これにより餅の増産が可能になったほか販促に時間を割くことができるようになった。
②繁忙期の業務の効率化
商品数を絞ったことで効率的な製造が可能になった。梱包における時間や資材の無駄が削減でき、商品の入れ間違いも起こらなくなった。また、年末の受注では商品数を絞ったにもかかわらず、売上は減少せず例年並みとなった。
③販促方法の見直し
お客様に「伝える」ことや「魅せる」ことを意識して販促活動を行うことができるようになった。また、アンケートは継続的に収集し今後の販促活動に活かしていく。

事業者の声

製造方法と販売方法の見直しを行ったことで効率が大変よくなりました。特に、年末の時期は梱包・発送作業に時間が掛かり深夜まで作業を行っていましたが、年末はセット販売のみにすることで深夜作業が無くなったことが嬉しいです。また、包装する袋を統一することで余分な経費が掛からなくなりました。
時間に余裕が持てるようになり、ネット販売やSNSでの発信も挑戦することができました。今後は専門家の先生に教えていただいた撮影のコツを意識するように心がけて情報発信を行っていきたいです。