海津市商工会

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事業者・創業者の皆様へ

No.22-02コロナ禍を生き抜くSDGs経営

事業内容

建築業・竹チップ(パウダー)販売業

従業員

6〜10名

支援分野

  • 販路開拓
  • 事業承継
  • IT化
  • BCP
  • 設備投資
  • 資金繰り
  • 創業
  • その他

強み・特長

◎自社内で竹林の伐採から粉砕処理まで可能
現場で竹林の伐採を行うとともに伐採した竹を粉砕後「竹チップ(パウダー)」として活用する。竹の処分費を省くことができるため低コストでの所有地整備が可能。
◎「竹チップ(パウダー)」の多種多様な活用
プラスチックの原料など用途に合わせた様々な大きさのチップを作ることができる。
◎建築会社の経験に基づく高い専門知識とノウハウ
長年建築工事で培ってきた高い専門知識とノウハウにより、お客様の悩みに合わせた最適な解決策を提案できる。

相談内容・課題

当社は主に一般注文住宅の設計・施工を行っており、創業時から「お客様と共に喜びと感動を創る」を経営理念とし、常にお客様の想いを形にすることを第一に事業展開してきたが、2020年以降新型コロナウイルス感染症による外出自粛の影響を受け来店者数が激減し、スタッフによる積極的な営業活動もできなかったため、売上は大幅に落ち込んでいた。
商工会は昨年度、既存の建築事業とは別にもう一つの収益の柱を構築することを提案して、竹を使った堆肥「竹チップ(パウダー)」を事業化したが、初年度は商品の認知度が上がらずECサイトでの売上は伸び悩んでいた。
また「竹チップ(パウダー)」はプラスチックの原料となる「バイオマス粉」としても活用できることから、プラスチック製造会社より当商品へ対する問い合わせもあったが、竹を乾燥・粉砕する設備が十分に整っていなかったため生産量が限られてしまい、これらの需要に応えることができないことが課題となっていた。

支援内容・活用した支援メニュー

【支援内容】
更なる少子高齢化社会の到来に向け、既存事業である一般注文住宅の設計・施工のみでは経営が立ち行かなくなることから、もう一つの収益の柱を構築することとし、これが実を結びつつある。自然素材である竹を活用した地球環境への配慮は、昨今求められているSDGs経営に繋がることから、今年度はこの取り組みを強化した。
【活用した支援メニュー】
①以前は天日干しで行っていた「竹チップ(パウダー)」の乾燥時間を短縮するため、新たに竹乾燥室を導入した。さらに当商品の認知度向上を図るため、ホームページやチラシにて活用方法等のPRを行った。
⇒ アフターコロナ・チャレンジ事業者応援補助金(岐阜県小規模事業者持続化補助金)
②既存の竹粉砕機は小型で生産量が限られていたため、丈夫で大きな多くの竹を粉砕できるよう大型粉砕機を導入するとともに、活用事例を地元密着情報誌に掲載した。 
⇒ 小規模事業者持続化補助金

成果・改善効果など

①以前は伐採した竹を粉砕した後に約1週間かけて天日で乾燥させていたが、竹乾燥室導入後は乾燥作業を2日に短縮することができ、生産性が大幅に向上した。
②ホームページやチラシにて「竹チップ(パウダー)」をPRしたところ当社の認知度が上がり、行政より川沿い堤防法面への除草剤は周辺地域への影響が懸念されることから、地球環境にやさしい自然素材である当商品を「雑草対策」として活用したいと新たに発注があった。
③プラスチックコンテナを石油由来から植物由来へと変換に取り組み、自然環境のものづくりを目指すプラスチック製造会社より、プラスチックの原料となる「バイオマス粉」として活用するため、竹粉砕業務(11t)の依頼を受けた。
④大型竹粉砕機を導入したことで、竹の粉砕作業時間が約50%短縮され作業効率が向上した。また、竹チップのサイズ展開が拡大し、お客様の用途に合った最適な大きさの商品提供が可能となった。

事業者の声

一般注文住宅設計・施工部門は新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受け、厳しい経営環境が続いていましたが、商工会から「もう一つの収益の柱を構築する」ことを提案頂き、不安もありながらチャレンジした結果、やっと成果も出てきました。常に私たち経営者に寄り添い、先々を見据えた提案を頂けるのは本当に頼りになります。これからも更なる事業拡大を目指して新しいことにも積極的にチャレンジしていきたいと思いますので、引き続きご支援をよろしくお願いいたします。