子々孫々脈々と受け継がれる伝統とイノベーション魂 ~事業承継を契機とする経営革新支援~
相談者
小畑畳店
小畑畳店 代表 小畑光弘 氏

相談内容
サポート内容
ア)財産権の移行支援
個人事業であるため先代からの代表権移行に当たり株式移転の必要はなかったものの事業用資産の移転(贈与・譲渡・相続)について検討する必要があった。過剰な税負担が円滑な事業承継の障害とならぬ様、事業用資産の内、不動産外資産及び事業用債務の引継ぎを無償で実施。先代名義である土地建物の事業用不動産については、先代所有のまま事業用途として活用する使用貸借を用いる事を提案。地元税理士と連携を図りながら中長期的な所有権移転をフォローする事とした。各種届出支援を行い新事業主が誕生した。
イ)経営権の移行支援
個人事業といえども実質的な経営権の移行には配慮する必要がある。前述の通り先代・後継者を含めた家族ぐるみの円滑な意思共有が図られ、段階的な権限移譲と、経営方針の共有によってシームレスに代表移転を図る事ができた。加えて後継者の妻が行う記帳処理と連動したKPI管理の仕組みを提案、月次売上高・利益額を妻が工場内のホワイトボードに記載し、KPIとの差分を情報共有する仕組を導入するに至った。この数字を基に後継者は実績を把握、営業活動をコントロールし、事業上のインセンティブを得る事となった。
②訴求力を高める新製品開発支援
ア)マーケティング調査の実行支援
新製品開発を支援するに当たって、畳業界のマーケット特性、アンケートを用いた顧客のニーズ調査の実行を支援する事とした。結果以下の分析結果を検証する事ができた。
・人は畳に関心がなくなったわけではない。生活スタイルの変化に伴った自然減が要因である。
・日本人は変わらず畳が好きである。ただ畳との触れ合いの場は確実に減少していっている。
・日常生活で畳の存在を気にする人はいない(劣化や材質などに思いをはせる人は少ない)
・30代~40代が認識する畳のモノとしての魅力、10代~20代が認識するデザインとしての魅力が畳の認知・普及につながる可能性 それぞれの検証結果を示し、方向性の提案を実施した。
イ)デザインコンセプト設計支援
デザイン設計に当たりターゲット像の明確化の必要性を提案。ペルソナ作成を支援した。
サポート成果
◆定性効果
事業継続のターニングポイントを、チャンスへと変貌させる事ができた支援事例であると考える。円滑な事業承継はもちろん、新規事業への展開を短期的に実現する事ができた。
◆定量効果
BtoCへの訴求展開をきっかけに、低減を続けていた売上高は前年比25%増を達成した