北方町商工会

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事業者・創業者の皆様へ

工程のプログラム化、一次加工品の量産体制確立で新規製品の販売強化

事業内容

住居、ビル等の建設用の鉄骨資材等の加工、製造業

従業員

0〜5名

支援分野

  • 販路開拓
  • 事業承継
  • IT化
  • BCP
  • 設備投資
  • 資金繰り
  • 創業
  • その他

強み・特長

当社の主要作業場は、天井約8mと高く、奥行きが約60mあるので鋼材、鉄柱等の大きく、長いサイズのものを容易に製造ができることに加えて鋼材の切断、加工と塗装等の用途に応じて作業場を3つ所有している。
現在は、ユニバーサルデザインやバリアフリー化、介護のための製品等、鋼材製品を扱うものは多岐に渡り、顧客のニーズも多様化しているが、当社は作業場のメリットを活かし、製品に対する製造方法や加工方法等をその都度変更が可能であることが強みである。

相談内容・課題

現在の当社が取り扱っている製品は、工場や倉庫の構造物の支柱や骨組み等として使用される鋼材の二次加工品(一度加工したものを更に加工して最終製品にしたもの)が大半を占めているが、同加工品の需要は減少傾向にある。さらに、最近の世界情勢に伴い、事業所の光熱費がおよそ2倍に高騰したことで、売上や営業利益を圧迫している。この現状を打破するためには、従来の二次加工品、従来の顧客だけを取り扱い、販路先としていては困難である。
そこで、新たな設備を導入し、作業場内の加工等業務の稼働率を高めることと重複した加工が不要な一次加工品に製造をシフトし、新たな販売チャネルや新たな顧客を構築、確保することで経営業績の向上を図りたい意向である。

支援内容・活用した支援メニュー

<原油高・物価高騰対策事業者応援補助金(岐阜県小規模事業者持続化補助金)>
鋼材を製品として完成するには、様々な加工、切削等の作業が必要になるが、当社は、その作業にドリルマシンと呼ばれる設備を使用し、作業員が加工情報等をその場で数値として入力することで、稼働していたが、人的負担が大きく、稼働率が悪かった。
上記の補助金を活用して「ドリルマシン用専用プログラム作成ソフト」を導入し、設備専用のプログラムを作成。これによって作業者が現場で入力作業を行わず、事務所で統括してできることやデータはUSBを接続するだけで転送できること等のソフト、ハードの両メリットを享受できるので、生産性、稼働率を高めて一次加工品の量産体制を確立、新たな販路先を開拓することを支援。また、商工会においても専門家派遣による経営上の無料相談や資金繰りの改善のための金融あっせん等があり、活用することを併せて支援。

成果・改善効果など

加工等に必要なデータ入力を事務所で統括して行うことと事務所からデータを転送できるようになったことで、現場の作業と機械操作場所が分離し、以下の成果があった。
・作業場からの回避による作業者の安全性及び加工準備時間の短縮に伴う稼働率の向上。
・機械操作経験が浅い従業員でも操作が可能となり、作業者の作業に係る負担が軽減。
・一次加工品への製造にシフトができ、同加工品の生産性が向上。
・一次加工品が必要な建設会社へ製品案内を行うことで新たな販路の確保。
また、世界情勢による光熱費の高騰に対応するために他のコスト軽減が課題であったが、「ドリルマシン用専用プログラム作成ソフト」を導入し、新たなプログラムで旧設備を刷新した新たな設備になり、継続して稼働したことで、以下の効果があった。
・その都度処理がなくなり、作業者負担が軽減できたことで、不良品等の産出量の減少。
・稼働率が向上し、製造時間が短縮できたことで期間単位の製造コストの減少。
・稼働率の向上により生産性が向上したことで期間単位の一次加工品の製造量が増加。
・見込みを含めて今後1年から5年の間の自社の総売上の約1.5倍の増加。

事業者の声

度重なる世界情勢の変動により原材料や水道光熱費が高騰したことで固定費の支出が増加し、その現状を打破するために新規的な取り組みが必要になる認識はあったが、部分的な改良を含めて新しいことを始めるには、多額の資金が必要であり、経営状況が低迷した現在では困難であるため商工会支援のもと小規模事業者持続化補助金を活用した。
新規の設備を導入後、安全性の確保や作業負荷の軽減は、即時の効果として現れたが、今後は、作業者への指導を行い、人為的ミスの削減を図り、設備のスムーズな運用を行うことで収益性及び生産性向上の成果を期待したい。