本巣市商工会

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事業者・創業者の皆様へ

岐阜県立岐阜農林高等学校と連携した商品開発の取組みと経営教育

相談者

三井精機有限会社

【代表者】三井軍治 氏
【設立】平成15年
【従業員】7名
【事業内容】自動車部品の製造、ポン菓子の製造販売
【強み・特長】
当社は岐阜県本巣市(旧真正町)に工場を構える製造業者である。元々は自動車部品の下請け加工を行う事業者として平成元年に創業した。その後、代表の息子であり後継者の三井勝弘氏がポン菓子の製造販売事業を始め、現在に至っている。
また、「障がい者に働く場を与えたい」という想いから、加工業務の一部を障がい者の作業所に委託している。

相談内容

元は自動車部品の加工下請けをメイン事業としていた当社がポン菓子の製造販売事業を始めたのは、平成23年に発生した東日本大震災がきっかけである。岐阜県は幸いにも大きな被害が無かったものの、当社は元請けの自動車工場が被災したことで生産が停止し、当社の仕事もなくなった。「このままでは、障がい者の働き口が無くなってしまう」、「元請けに依存する下請けではなく、何か自分で障がい者へ委託できる仕事を作らなければ」と考えた勝弘氏は、たまたま過去にイベントで使用したポン菓子の機械をみて「これを使ってポン菓子を自社で商品化し、安定した販売をすることができれば、作業所で働く障がい者たちに仕事を与えられる!」と思い立ち、ポン菓子の製造販売事業を開始した。 しかし、ポン菓子の製造販売事業はなかなか軌道に乗らず、何か主力となる商品を開発し、それをきっかけに認知度を高めて売上を拡大していく必要があると考え、「認知度向上につながる今までにないポン菓子」を開発することとした。

サポート内容

①岐阜県立岐阜農林高等学校と連携した商品開発 今までにないポン菓子を開発するにあたり、岐阜県立岐阜農林高等学校と連携し、高校生の意見・発想を取り入れたいと考えた。そこで高校の教育方針やカリキュラムにも合致するように授業内容とスケジュールを設計して企画提案したところ、校長先生に快く承諾していただき、本連携が開始した。本連携事業は「どんなポン菓子を開発するか」というアイディア発想から始まり、アイディアの絞り込み、ブランディング、パッケージデザインまでを高校生と共に実施した。毎回の授業内容は経営指導員を中心に事業者と高校の担当教諭と打ち合わせて決定し、授業の進行は経営指導員が行った。授業内容は高校生の意見を頂きながら商品開発を進めるだけでなく、「お金儲けの必要性」や「顧客目線とは」、「ターゲット絞り込みの必要性」、「目的の明確化の重要性」などのテーマを設けて講義形式で授業を行い、事業者や商工会だからこそ教えられる、現場で活きる知識や考え方等を高校生に伝えた。   ②岐阜県食品科学研究所の活用による賞味期限の設定 新商品は小さなお子様に召し上がっていただく想定であるため、明確な科学的根拠に基づいて調査して賞味期限を設定したいと考え、岐阜県食品科学研究所に水分量等の検査を依頼した。

サポート成果

【高校生の発送を取り入れた画期的なポン菓子の開発】 新型コロナウイルス感染症拡大による休校などといったアクシデントを乗り越え、およそ10か月に及ぶ連携の結果、新たに「あさポン」という新商品を開発した。 この商品は「お子様の『自分でできる!』を支援する」というテーマで、小さなお子様が自分でポン菓子を器に移し、その後で牛乳をかけたり、フルーツソースをかけたりと、お料理体験ができる商品である。パッケージも小さなお子様が簡単に中身を器に移せるよう、小型のペットボトルを使用し、レシピを記載するなどした。 今後岐阜県食品科学研究所の検査を経て最終的な商品として販売する予定である。   <事業者様の声> ①三井勝弘 氏より 高校と連携して商品開発することで、自分にはない発想を取り入れながら商品開発することができた。 また、商工会の経営指導員の授業は私にとっても大変有意義な内容であり、とても勉強になった。   ②高校の担当教諭より 商工会さんからこのように授業をして頂くことで、「実際にビジネスの現場で役立つ知識」を教えていただいた。生徒にとって大変有意義な授業をして頂けた。是非、また今後もお願いしたい。