大垣市商工会

  • 文字サイズ
  • 背景色

事業者・創業者の皆様へ

No.22-01賃上げに取り組む事業者の生産性向上支援 ~最賃1,000円以上に引上げへの取組み~

事業内容

アルミ素材を主とした切削、板金、組み立て、溶接、ワイヤーハーネスなど

従業員

11〜20名

支援分野

  • 販路開拓
  • 事業承継
  • IT化
  • BCP
  • 設備投資
  • 資金繰り
  • 創業
  • その他

強み・特長

交通標識用基板製造に従事するには溶接強度[難溶接加工]の試験が必要で、岐阜県内では弊社が唯一のサプライヤーである。専門性の高いアルミ溶接加工で得たノウハウを一般の看板業界にも拡販、浸透させてきており、店舗や駐車場の案内看板やロードサイン等に広く活用されている。また、弊社の製品を活用いただくエンドユーザより高評価を得ている。さらに、弊社は製缶板金部門を擁しており、その分野で培った経験と標識板の技術を組み合わせた製品を提案できる数少ない会社と自負している。15年前にM&Aよりワイヤーハーネス部門を吸収しており、コロナ禍で国内外の製品(ワイヤーハーネス、半導体製品等)が不足する中、国内サプライヤーとして重要な役割を果たしている。

相談内容・課題

15年前にM&Aより吸収したワイヤーハーネス部門は、当社の不採算部門であった。
そのため同部署で働く従業員の人件費が当社の最低賃金である。常時使用する労働者の賃金状況は以下の通りである。
・男性(Aさん)51歳 9年勤務 905円(※最低賃金810円/岐阜県)※時間換算額
・男性(Bさん)26歳 8年勤務 919円(※最低賃金810円/岐阜県)※時間換算額
※その他(アルミ加工部門)従業員は、1,500円~2,600円 ※時間換算額 
「会社全体の生産性向上を図り、賃金引き上げを図りたいとの相談が寄せられた」
加工価格は**** 円[****円改定]、線材や端子等の原材料費は****円であることから低収益加工賃である。
モノによっては構造が複雑になるため、調整は人の手によって行わざるを得ず、その結果FA(ファクトリーオートメーション)による全自動化が難しく、ワイヤーハーネスの品質向上のためには作業者の技術を高めることが重要とされており、熟練作業のスキルを必要としていることが実態であるため、左記以外での業務改善より生産性向上を図る必要がある。

支援内容・活用した支援メニュー

・令和元年度補正「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」(第9次締切)
 導入設備:全自動圧着機CPR-ZERO-ST(日本オートマチックマシン株式会社)
・令和4年度 中小企業最低賃金引上げ支援対策費補助金(業務改善助成金・通常コース)
 導入設備:シートシャッター門番R409(小松電機産業株式会社)
 導入設備:長穴送り抜き型アルミT字材(林金属工業株式会社)
・中小企業等経営強化法に基づく「事業継続力強化計画に係る認定申請」
 2021中部経強単認第1785号中部経済産業局長認定
・中小企業等経営強化法に基づく「経営力向上計画に係る認定申請」
 20200416中部経向申第2号中部経済産業局長認定
・中小企業等経営強化法に基づく「先端設備等導入計画に係る認定申請」
 岐南第2427号岐南町長認定

成果・改善効果など

【定量的支援成果:賃金引上げ・時間換算額】
・男性(Aさん)51歳 905円 ➡ 1,128円(引上げ額:223円)※810円/岐阜県最低賃金
・男性(Bさん)26歳 919円 ➡ 1,128円(引上げ額:209円)
【定量的支援成果:生産性向上】
・圧着(カシメ)工程 [現状]800本/日 ➡ [改善後] 1000本/時間
・省力化       [現状]2.5人 ➡ [改善後]2.0人
※0.5名を他工程は配置換え(溶接部門へ配置転換)
・圧着(カシメ)品質 [現状]5% ➡ [改善後]0%
・スチールシャッター 所要時間 [現 状] 60秒×50回/日=3,000秒(50分)
・シートシャッター  所要時間 [改善後]12秒×50回/日= 600秒(10分)

事業者の声

当該地域の事業者は最低賃金の設定が高く、既に1,000円を上回っている状態であるため、実態として「業務改善助成金」は活用できない。そのため、対象事業所要件:事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が30円以内の要件を緩和する必要がある。(※地域内独自(岐阜県・岐南町)の支援制度の整備が必要である。)
【参考】当該地域は、愛知県(一宮市北方町)と隣接しており、隣接県の愛知県は中央最低賃金審議会が定めるAランク地区に属しており、最低賃金額:愛知県(986円)岐阜県(910円)と比べ76円の地域差が生じている。