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誠心誠意を尽くす企業体質の存続を目指した事業承継
相談者
沢田建設株式会社
【企業概要】代表取締役会長 政幸氏(67才)
代表取締役社長 政秀氏(45才)
代表取締役専務 浩志氏(43才)
【沿 革】創業:昭和30年 法人成り 昭和36年6月
【事業内容】業種:特定建設業 従業員27名
先代の頃は、経営難により資金調達に苦慮する時期もあったが、現在では地域屈指の完成工事高を誇る会社に成長。

相談内容
相談の経緯
地元でたまたま立ち寄ったコンビニのレジで、会長の政幸さんより代表取締役の職は息子に譲ったが株式については現在も大部分を自分が保有している。今後、二人の息子に贈与するとしても多額の納税問題が生じてくることが予想されるので、何か良い方法がないものかといった相談であった。
実際、商工会では、事業承継支援事業などの施策の案内は、商工会独自のチラシや商工ニュースなどで周知はしていたが、事業者にしてみれば、見たことや聞いたことはあるにしても個別に説明をしてもらわなければ理解出来ないといった現状であった。
サポート内容
①事業承継支援事業「専門家派遣事業」の活用
税制面の支援が大きいことを踏まえ、公認会計士の木村太哉先生に支援を要請し、理解しにく
い税制面の説明や計画書などのブラッシュアップについて支援をいただいた。
②事業承継計画書及び特例承継計画書の作成支援
計画書のにあたっては会社に存在する「すべてのモノ、人、知的財産」などの経営資源を洗い
出し、今一度、原点に立ち戻ることが出来た。また、早い時期に税制優遇特例が受けられるよ
うに特例承継計画書も作成した。
③特例事業承継税制措置の活用
贈与税の納税猶予の特例を受けるためには贈与するまでの間に先代経営者は代表権の返上が必
要となっているので、この問題もクリアしなければならない事項であることを確認した。
サポート成果
①事業承継税制の活用を検討
支援期間の途中で、会長が同業者の集まる事業承継セミナーに参加され、自社の「事業承継と優遇税制」について講師に質問したところ、否定的な答えであったので本当に今やっいることが大丈夫なのかと疑心暗鬼になっていたが、専門家の丁寧な説明に よりご納得いただくことが出来き、前向きに検討することが出来た。
②計画書等の作成支援の効果
事業承継計画書の作成では、経営者、後継者と共に経営資源を共有することが出来た。また、特例承継計画書については、承継 後の会社の課題や解決手法を描いたことにより具体的な贈与の時期等を決定する結果となった。
③円滑な事業承継のための準備を開始できた
事業承継税制を受けるのは1回のみであり、会長夫妻の所有する株式数の贈与分配を検討した。また、類似業種比準価格や1株当たりの純資産価格を用いて贈与額の計算を行い、優遇税制の適用によるの大きさを認識した。更に、今後一線を退かれる会長夫妻が、老後の生活に安心出来る設計として役員退員職引当金の算出による税額計算、在職老齢厚生年金の支給停止を受けない報酬額の決定などの身近な問題にも対応した。
その他の課題として社外の第三者(出資者)からの株式の買取り方法と移行、種類株式(黄金株)の発行の必要性について検討を加えた。
【事業者の声】
(会長)自分も40年ほど前に青年部に籍を置き青年活動に従事していたが、その当時と比べて商工会の支援内容について大きな変化が見える。今回の事業承継税制等については、事業承継支援制度による専門家の先生などの具体的な支援によって行動を起こすきっかけと同時にアクションプランの策定が出来き、大変利用しやすい有難い制度であった。
今後は、関係団体や個人の中でも事業承継制度を広めていきたいと考えています。また、これからの会社に対する思いや考えが後継者から聞けたことも大きかったと思います。