事務用品や書籍は大型店の進出やネット販売が主流となり小規模な実店舗での経営は厳しい状況です。またコロナ禍での在宅勤務やリモートワークの増加、ペーパーレス化で文房具全体の需要が減少傾向にあります。巡回時には販売員である奥様より、「実店舗での売上を伸ばしたいがどうしたらいいかわからない」という相談を受けてきました。
今回の「アフターコロナチャレンジ事業者応援補助金」の提案をきっかけにSWOT分析を行い、当社の強みである「販売員の接客力」と顧客の「実際に本や文房具を試してから購入したい」というニーズに焦点を当て、大型店にはないもので実店舗にしかできないサービスは何かを考えた結果「実際に商品を見て試すことができる売り場」の提供による売上増大を図る事業を行うことにしました。

①アフターコロナチャレンジ事業応援補助金の活用による店舗改装
店舗の一部分を改装して、需要が多い「脳トレ本」「大人の塗り絵」「仕掛け絵本」などをお客様が実際に見て試してもらえるようにスペースを整備しました。
近隣町村に新聞折込を２回行い集客アップを図りました。
②売上アップに向けたマーケティング視点の売り場づくり支援
店舗改装工事が終わった時点で、エキスパートバンクを活用して顧客目線での売場づくりについて専門家による指導を受けました。
③写真撮影セミナーの受講
スマホカメラの使用方法や商品の魅力的な撮影方法を学び、インスタグラムを活用した効果的な情報発信の支援を行いました。

令和4年11月・12月の平均売上額が前年度と比較して110％となりました。チラシを見たという新規のお客様が1か月当たり７～8人ありました。
陳列棚を工事してしかけ絵本等の立体的な陳列ができるようになり、お客様からはお店の中が楽しい、見やすくなったと好評です。今回整備したスペースではお客様に店内の商品をゆっくり見てもらうことができるようになりました。そして、お客様のお話をよく聞き、要望に応えながら商品をお勧めすると購入数が増えて売上増加に繋がっています。

小規模事業者持続化補助金の活用について商工会からの提案がきっかけとなり、以前から希望していた今回の事業が実現しました。また、経営計画を立てることの必要性を理解しました。エキスパートバンク事業では中小企業診断士の指導を直接受けることで売り場づくりだけでなく幅広い相談に乗っていただき、５～10年先を踏まえた上での課題や問題が分かりました。一度に解決するのは難しいので、一つずつ改善していきたいと思っています。