関市東商工会

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事業者・創業者の皆様へ

厚労省 新はつらつ職場づくり宣言より~社員の多能工化、残業時間削減、賃金引上げ~

事業内容

一般住宅内装建具に使用される合板・PB・MDFへの化粧表面材加工

従業員

21名〜

支援分野

  • 販路開拓
  • 事業承継
  • IT化
  • BCP
  • 設備投資
  • 資金繰り
  • 創業
  • その他

強み・特長

主に木質繊維を原料とする(MDF:中密度繊維板)への木目調等のシート貼付け加工を行っており、創業から今日に至るまでの度重なる技術革新や独創的な製品づくりによって積み上げられてきたオンリーワンのモノづくり技術を有する。
特徴は、取引先のニーズに対応した短納期、小ロット生産の受注生産体制を構築している。
強みは、MDF:中密度繊維板へのデザインシート貼付けを得意としており、OEMに対応する設備・技術での量産体制と極小ロットへの対応力である。

相談内容・課題

課題、少子高齢化の進行や介護離職等による労働力人口の大幅な減少が懸念される中、今後、当社が優秀な人材を確保・定着、維持・発展を図っていくためには、女性をはじめとするすべての人々が活躍できるよう、長時間労働の削減や非正規雇用労働の待遇改善等を始めとした働き方の見直しが必要である。
相談内容① 労働時間の適正把握、残業時間の削減を図りたい。
相談内容② 社員の多能工化、業務の平準化より、年次有給休暇の取得がしやすい職場環境の整備を図りたい。

支援内容・活用した支援メニュー

岐阜労働局「新はつらつ職場づくり宣言」より、自社の魅力!を社内共有、社外公開
岐阜労働局掲載HP(https://jsite.mhlw.go.jp/gifu-roudoukyoku/newpage_00434.html)
‣労働時間の適正把握のため、2021年4月より1日あたりの出荷数を管理することで、時間外労働が発生する時期・部署・従業員の調査を開始した。
‣業務の平準化を図るため、定期的な配置転換より多能工化に取り組む。
‣始業時刻前の段取り作業が時間外労働として常態化しており始業・終業時刻を繰り上げ就業規則を変更することで段取り作業を就業時間内に対応できるよう改正に取り組む。
‣交代制で退社時間を早くするなど、臨機応変な人材配置を可能とすることで社内全体の時間外労働の削減に取り組む。一方、大幅な賃金引上げに取り組むためQC改善導入。
※対応!2023年4月~ 中小企業の時間外労働 60時間超の割増賃金率が50%以上引上げ
中小企業向け「賃上げ促進税制」上乗せ要件 雇用者給与等支給額2.5%増加要件(3年間連続)

成果・改善効果など

‣始業時刻前の「段取り作業」が常態化し時間外労働となっていたが、始業・終業時刻を繰り上げ終業時間を変更したことで時間外労働の削減が図れた。また、作業担当、工程、方法を幾度と見直し・改善することで2023年4月からの法改正・猶予期間終了に対応できた。
‣定期的な配置転換、QC改善活動より社員の多能工化並びに業務の平準化より、個人差が生じていた年次有給休暇取得について取得の平準化が図れた。また、年間有給計画を作成し、年間5日取得の達成と別途有給奨励日を設定したことで、仕事と私生活との調和推進が図れ、従業員の心身の健康保護につながった。
‣時間外労働の削減により社員の収入が減ることを危惧していたが、3年間継続して、前年と比して2.5%/年以上(※計7.5%以上)昇給したことで社員の収入は増加し大幅な賃上げが図れた。
‣現在は、終業前に翌日の段取り・配送の荷揚げ作業まで完了する。

事業者の声

事業主:「新はつらつ職場づくり宣言」により労使間のコミュニケーションが円滑となり結果、改善成果につながった。
労働者:労働環境の改善が図られ、自己啓発、趣味、介護・育児等に自由な時間が取れるようになり仕事と私生活がともに充実し、相乗効果を生み出す理想的な職場となる。更なる改善活動に向け社員一丸となって取り組んでいく。
支援者:常務取締役が中心に進めたプロジェクト(内製化)で、支援する商工会側に気づきがある改善事例であった。働き方改革「ワークライフバランス」における「ファミリーフレンドリー」と「女性の社会進出」の2つの軸をテーマとした素晴らしい取り組み内容であった。今後、当該地域内に水平展開できるよう支援者の役割を果たしていく。